12上の御曹司と女子高生は愛を育めない



「俺にだって仲間はいる。今、春日部始め、部下達が動いているから安心しろ。
今回あの女の馬鹿げた罠は失敗したし、この事を傍観していた父親はむしろこの件を利用するだろう。
女子高生のひたむきな姿勢に息子は心を奪われた、なんて後で使えると思ってるのさ、良い宣伝にもなるからな」


そっか、やっぱりあの場にお父さんはいたのか。
そして今まで足を引っ張る私の存在は、今回の件で宣伝に使えると見方が変わった。こういう事で気持ちが変わって欲しい訳じゃ無かったのに。


「お前が何を考えているかは想像が付く。
俺も幼い頃は父親に甘い期待を持っていたこともあった。
でもな、あの人の憎しみは根深い。変えようって方が無理なんだ。
余計な期待などせず、こっちはこっちでやればいい」


大きな手が私の頭を落ち着かせるように撫でる。
泣きそうな気持ちになるのを我慢して、私は手を伸ばし光生さんの頭を撫でれば驚いた顔をされた。


「やっぱり振り回した光生さんに、そういう顔と気持ちにさせるお父さんに腹が立ってます。
たとえ相手が私じゃ無くても、光生さんが選ぶ道をただ応援してくれる親であって欲しかった、そう思っていました。
でも光生さんには味方が沢山いる、それが一番です」

「・・・・・・相手が私じゃ無くても、だと?」


すぐにその言葉だけ切り替えされ、声色が低くなったことと目が据わっていることに本能で危険を察知した。
別に一般的な話をしたはずだったのに。