拍手が続いているその中を、私はお辞儀をしながらなんとか会場の外に出た。
外にも人がいて光生さんは笑顔を周囲に見せているところを見て、まだ気が抜けないと私も笑顔のまま歩けばドアを開けられ中に入る。
そこは小さな控え室だった。
「すまなかった」
ぎゅっと後ろから抱きしめられ驚けば、彼は私の肩に顔を埋めるように俯いていた。
声を出したいのになかなか出ない。
足が、膝がガクガクして、今になって恐ろしいほどの緊張が襲ってきた。
あの場で歌おうと思い行動した自分が信じられない。
「震えるのも無理は無い、まずは座ろう」
壁際に椅子が並んでいるその一つに座らされ、光生さんがその横に座る。
「あの女にはめられた」
ふと呟くように怒りの籠もった声。
やはりこれは罠だったんだ。
「パーティーに出席していたんだが、急遽トラブルが起きたと本社に戻っていたときに春日部から電話があった。
あの女と結託している人間の車に紫央里が乗せられたと。
念のため今日は春日部にお前を見張らせていたんだ。
特に確証も無いのにお前に行動を制限してくれと言うのは不安を煽るし、したくも無かった。
だが結局はお前を巻き込むことになって本当に申し訳ない」
座ったまま頭を下げた光生さんに、私はやめて、と声をかける。
そして彼の腕を掴んで無理矢理顔を上げさせた。



