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既に二月、そして今日はバレンタインデー。
恐ろしく忙しい日々を送っていた光生さんは、以前言ったとおり平日というのになんと六時過ぎに待ち合わせの駅へ現れた。
この駅は光生さんの家の最寄り駅。
今日は一緒に晩ご飯を自宅で食べることになっていた。
少し前から光生さんのメールによるバレンタインデーカウントダウンが送られてきて、いいから仕事してるか寝てなさいよ!という私のキレているメールに、お前は彼氏の楽しみを奪うのか、やる気をそぐのか、と愚痴を送ってきて、相当参っているんだと思うとむげにも出来ない。
手作りを要求されたわけではないので、デパートの催事場で行われているチョコレートフェアで買ってきた。
トリュフ二個で二千円とかよくわからない品も多かったけれど、色々味見して三千円の色々と種類の入ったチョコにした。
高校生からすれば三千円は大金だ。
でもここのとこのお疲れからすれば、少しでも美味しいチョコをあげたかった。
「待ったか」
「そんなには。むしろ五分遅れで光生さんが済むとは思いませんでした」
複雑そうな光生さんに思わず笑う。
だって、やはり仕事で行けない!と連絡来る可能性の方が高いと思っていたから。



