12上の御曹司と女子高生は愛を育めない



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二月に入り、ストレスが溜まっていた私は週末金曜日学校が終わった後、制服のまま通い慣れたカラオケボックスに一人で来ていた。
時間的に一時間半が限界だろう。

言われた部屋に入り、ドリンクバーから持ってきたオレンジジュースを飲んでいると隣からギターの音が聞こえ、すぐに部屋のカラオケの音量を下げる。

珍しくゆったりとした曲、それも聞いたことのあるメロディー。

「アメイジング・グレイスだ!」

思わず声に出し、急いでスマホで歌詞を探す。

私はマイクだけ音量をセットし、まるで私の準備を待っていたかのように始まった前奏にあわせスマホを持つ。

そして歌い出した。
だがスマホで出した歌詞は英語の歌詞。
言い慣れない言葉に躓きつつ、必死に隣のギターについていく。

何度も聞いたことがあるからと思っていてなめていた。
やはり歌詞を見て歌うのは別物だ。

終わって反省がよぎっていたら、そんな暇も無いように再度同じ前奏が流れ出す。
それもさっきよりテンポが速い。


「やってやろうじゃないの」


自然と笑いながら再度スマホを持って歌い出した。