12上の御曹司と女子高生は愛を育めない



『紫央里、何故黙っている』


気が付けば随分黙ったままだったと気が付いた。


「以前車の中で話してくれたじゃ無いですか、子供の頃の事を。
その時冷静に話しているようでそれが酷く悲しくて腹立たしかったんです。
今回もそういう感じを受けるので」


言ってからしまったと思った。
あの時も光生さんの様子は少し変になったのに。
だけどこういう感情を私は上手く抑えられない。
子供だから、というのは横山君が以前言ったように、大人と交際する以上は許されないとわかっているけれど、上手く出来ない。


『お前の誕生日の日言っただろう?
こういう時期だからこそ紫央里に側に居て欲しいと。
お前がこういう風に気遣ったり怒ってくれるから俺は自暴自棄にならずに済む』


あの言葉は嬉しかった。
それはこういう時にも効果を発揮するのか。
というか怒っていたのは言ってないはずなのに。


「怒ってるって何で思うんですか?」

『車の時でも怒っていただろうが。
おそらく今回のように目の当たりで体験すれば、お前は自分に対してじゃなく、俺へのことで相当怒ったんだろうなと想像は付く』


自慢げに言い切られて私が呆れてしまう。
でもそういう風に私を見てくれているのは、さっきまで怒っていた気持ちも役に立ったのかもしれない。