12上の御曹司と女子高生は愛を育めない



『悪かったな、嫌な思いをさせて』


報告をし終わると、何で着いていったんだ、と怒られるかと思えば謝罪から始まった。
怒られるのを覚悟していたけれど、やはり色々心配だったのだろう。


「こんなことを光生さんに言うと不愉快に思うかも知れませんが」


気にせず話せよ、という特に怒っていない声に私は素直に気持ちを話した。


「光生さんのお父さんに持っているイメージと、会って話したイメージがあまりにかけ離れていて驚いたんです。
何というか、凄く色々うしろめたく感じて今でも愛情を重視している方なのかと」


ちょっと遠慮気味に話すとすぐに言葉が返ってこない。
もしかしてショックを受けているのだろうか。


『そうか、そう誤解させてしまったんだな。
違う、あの人は今や仕事だけだよ。俺だってその駒の1つだ』


自分を駒だと言い切った光生さんに、違いますよとは言えない。
あのやりとりだけで、光生さんを何もわかってないんじゃ無いかと思った。

あんなに自分勝手に子供を振り回して、自分がされた嫌なことを平気で自分の子供にしている。
温和そうな顔の裏には冷徹なモノがある、そうとしか考えられなかった。


『あの人もある意味復讐してるんだろ』

「何に?」

『自分の親に』


言葉が出ずにいると、


『自分を振り回した父親より会社をでかくした自負がある。
それで会長派の人間を何人も自分に寝返らせた。
どんどん取り巻きを剥いでいくのは、復讐の1つだろう』


光生さんってこういう風に家族を、会社を見てるのか。
そう言えば子供の頃の事もこんなに冷静に見ていた。
でもそこまで冷静になるまでに色々な気持ちを抱かなかったのだろうか。

そもそも冷静に見えているだけで、内心は未だに複雑な気持ちなのかも知れない。
こういう冷めた面を見せられると、私の気持ちは安心するどころか逆に落ち込んでいく。