12上の御曹司と女子高生は愛を育めない



「光生さんのお母さんと引き裂かれ、その後結婚した今の奥さんと娘を置いて光生さんのお母さんと三ツ沢家から逃げたのは何故ですか?」


私の表情はかなり冷たい物だったろう。
質問内容に驚くことも無く、光生さんのお父さんは苦笑いを浮かべる。


「そうだね。あの頃は若かった。
自分が今会社を大きくし、多くの社員の人生を背負うことで初めて理解したんだ、何をすべきかを」

「なら素直にお父さんが従っていれば、光生さんは産まれていませんでしたね。
で、若気の至りで出来た子に継がせるんですか、本人の意思も無視で」

「いやぁ、紫央里さんは実に頭のよい子だね」


何一つ褒められている気分にならない。
この人、自分が言っていることとしていることの矛盾に気付いているんだろうか。


「わかっているよ、今私がしている事は私が父にされたことに近い。
だから今君に言ってるんだ、光生のために身を引いてくれと」


なるほど、自分が辛かったから、もっと前に芽を摘んでおけば良いって訳か。それも懐柔しやすい小娘の私をターゲットにして。

・・・・・・随分と私は舐められたものだ。

頭と心の中が、一気に攻撃態勢へ移行した。


「なるほど、光生さんのお母さんは早めにお祖父さんから止められていたら身を引くような女性だったんですね。だから別れることが出来て意に添わない相手でも結婚したと。

だけど結婚したのにお二人で駆け落ち同然のことをして、再度光生さんのお母さんに自分が身を引くことを選択させたのは貴方でしょう?
どんだけ甘ちゃんなんですか。光生さんの方が遙かに大人ですよ」


淡々と話しているつもりだが、自分の中がヒートアップしていくのを止められない。