12上の御曹司と女子高生は愛を育めない



「君は高校生にしてはとても賢いお嬢さんだ。
単刀直入に言おう、光生と別れて欲しい」

「お断りします」


間髪入れずに答えれば、はは、とわかっていたような表情で笑った。


「家に来たときも言ったけれど、私の後継者は光生と決めている。
その為にはある程度光生の横に立つ、相応しい女性で無くては会社がまとまらない。
まさか現役高校生と本気の恋愛中なんていうのは、光生を排除したいグループからすれば格好のネタだ。

来月には取締役会で光生を取締役に推薦しようと思う。
少しは経営を側で学ばせた後、早々に社長に就任させる。
今までの光生の働きを見れば、役員になっても実力でねじ伏せられるだろう。
会社はここまで成長した。光生なら今後も拡大できると確信している。
そんな多くの社員を任せられるのは光生だけだ。

その為には、申し訳ないが君には交際を諦めて欲しい。
もちろんそれなりの対価は支払うつもりだ」


穏やかに話す顔に、私はこの人は本当に光生さんの父親だろうかと疑問に思った。

光生さんから聞いている話しを踏まえれば、会社のことで自分の恋愛を潰され、そして政略結婚した相手と子供を捨ててまで、光生さんのお母さんと駆け落ちした愛溢れる人では無かったのか。

これじゃぁまるで、光生さんのお祖父さんがしていることと変わらない。