幹線道路沿いのファミレスに入れば、まだ夕食前のせいかそんなに混んでいない。
制服の女子高生と、スーツ姿の素敵なおじさま。
光生さんのお父さんが若く見えるせいかどうやら親子と周囲は勘違いしているようで、すんなり奥のボックス席に案内された。
「何でもどうぞ。僕が払うからね」
「結構です。ドリンクバーの割引クーポンがあるので」
私がスマホをアプリを開いてみせると、そうか、と彼は笑い、二人でドリンクバーを頼み、機械の前でもたついているお父さんにアイスコーヒーを作ってあげ、私はホットの紅茶とカルピスを持っていく。
どうせしゃべるなら途中席は立てないだろう。それなら2つ持っていこう。
「さて、紫央里さんと光生は正式にお付き合いしてるようだね」
着席してお互い一口飲むと、時間が惜しいかのようにお父さんが切り出してきた。
正式に、という文言でピンときた。
今まで偽装で付き合っていたことをこの人はわかっていたんだ。
「光生が交際相手を連れてくるというので、申し訳ないが急いで調べてね。
そうしたらたまたま知り合った女子高生の善意につけ込んで、偽装の交際相手として連れてくるようだとわかったときには笑ってしまったよ。
いくら光生でもたまたま知り合った相手にそんな事を頼む子じゃない。
それをお願いしても大丈夫な相手だと息子が判断した相手に会ってみたいというのもあったんだ。
それで会ってみて話してみれば、偽装なんてもんじゃない、肝の据わった賢そうな君の態度と発言に驚いてしまって。
何より息子が君を見つめる目にも驚いた。
これはもしかして、と様子を見ていれば案の定正式に交際が始まったようだと小耳に挟んでね」
「偽装じゃありません、単にお試し期間だっただけです」
「お試し期間か、なるほど」
お父さんは口元を緩くしてまたアイスコーヒーに口をつけた。



