12上の御曹司と女子高生は愛を育めない




「大丈夫ですよ、私のモテ期はここで終わりなので」


苦笑いしていうと光生さんは私から手を離し、隣にどすんと座って頭を掻く。
そして私を見た。


「交際して初めての年越しなら一緒に初詣とか行きたいんだろうがその時間が取れない。
正月は実家で親戚一同揃うことになってるんだ。
おそらくしばらくはかなり忙しい。会える回数は厳しくなるんだがそれでも良いだろうか」


少し弱気にも思える口調と態度をされて肩透かしを食らった気分だ。

今まで俺様身勝手だった人が交際が始まってからというもの、何だか甘いしヤキモチ焼くし、こういう弱気な面を多く見せるようになった気がする。まだたった数日なのに。


「構いませんよ。
私も試験勉強ありますし、進路について色々慌ただしいんです。気兼ねなく仕事してください」

「そうか。だが2月14日は意地でも空ける」

「配送も出来るんでお気になさらず」

「お前、もう少し寂しがれよ」


いじけたような態度を見てお互い目が合い、私は笑ってしまった。

この人とこんな風に過ごすなんて少し前まで想像もしてなかった。
光生さんには大人として、そして家の問題として背負ってる物がある。

私に出来る事って何だろうか。
せめて労ることくらいしてあげたい。
どんなことがあっても私は、私だけは貴方の味方として存在したい。


「頑張ってください。
私は光生さんの味方ですよ」


光生さんの目が細まり、穏やかな顔に私も釣られて笑うと、手が伸びてきて抱きしめられた。


「ありがとう」


その声は落ち着いていて、なのに彼の腕の中からシャツ越しにとても早い鼓動が伝わってくる。
光生さんも私と同じようにドキドキしているのだろうか。


「・・・・・・あの、プラトニックなお付き合いだったのでは?」

「抱きしめるくらい許せよ!!」


キレ気味の光生さんと、その後プラトニックな付き合いとはどこまでを指すのかで揉めることになり、私の誕生日はある意味いつも通りの二人で幕を閉じた。

でも私の胸元にはピンク色の石が輝いて、ごく普通のショートケーキを誕生日に用意して貰ったことは、私にとってこの上ない幸せだった。