「どうせ大人になっても中身は高校生レベルと思っている、なんて邪推してるんだろ?
違う。お前はこれからしっかりと成長していくよ。
だがおそらく何があっても、お前の真っ直ぐな正しさと優しさが変わることは無いだろう。
だから年齢は関係無いって言ったんだ」
私の顔を見て呆れた口ぶりで光生さんが言う。
ずっとかけられる言葉は私の人生で初めてと言うほど褒められている内容だろう。
だけど妙に良いように誤解しているのではないだろうか。
「何か勘違いしているのでは?
私は子供だから、まだ色々大人の世界がわからないから好き勝手言っているだけです。
光生さんのように大きなものを何も背負ってもいないんですから。
光生さんにはもっと、支えになる相応しい大人の女性がいるはずです」
きっちりと言ったはずが光生さんの表情は微妙になるだけ。
「私の言いたいこと伝わってますか?」
「伝わってる。だが納得は一つもしていない」
言い切られて言葉に詰まった。
光生さんは怒っているのか呆れているのかよくわからないが、どうすれば無理だと伝えられるのか。
「紫央里、そもそもさっきから俺の立場ばかりを話してるがお前自身はどうなんだ?
水族館の時俺に恋がわからないなどと自分に告白した当人に質問してきたが、答えくらい出てないのか」
流石に責めるような雰囲気を感じて居心地が悪い。
あんな質問も不味いとは思ったけれど、何せその後片思いしていた相手に告白されている。
なのにその人にお断りを送ってしまった。
自分で光生さんが好き、愛している、なんてのがよくわかっていない。
ただ、もう二度と会えないのは寂しい、とは思っているだけで。



