「だって、実は種まきが人との縁を増やす方法でもあるなんて。
そしてそれがいざという時の武器になるなんて考えたことが無かったので」
「途中話したが、有名菓子店の話しただろ?
そこで支えになったのは昔からの地元の顧客だ。
地方で売れる有名菓子をまずは地元の人々が買ってくれた、それは長年培ってきたものが後でわかるような形で見えた場合だろう。
情けは人のためならず、とは少し違うが、助けた相手が全員自分を助けてくれるわけじゃ無いのは当然で、でももしかしたらそれを見ていた、知った見知らぬ誰かが自分のピンチに手を差し伸べてくれたりする。
良い事だと自分が思えるのなら、見返りを求めずにやってみることだ。
結果というのはそれについてくる」
凄く、重い言葉だった。
私は貧乏くじを引いている気がどこかでしていた。
周囲を見ればもっと上手くやっている子なんていくらでもいる。
それを羨むばかりの自分が嫌だし、結局引き受ける自分が嫌で。
人の為に偉いことをしているなんて思わない。
だけどいつか、そういうのを見てくれていた人が一人でもいて声をかけてくれたらやはり凄く嬉しい。
そこで横山君では無く、光生さんが何故か先に浮かんでしまって自分がいかに単純なのかがわかる。
たまたま今日の話を聞いて影響されただけなのに。



