「どうした?やはり寒いか、そろそろ中に入った方が良いな」
その場から動こうとした光生さんのジャケットを思わず掴む。
驚いたような顔をされたけれど、
「あの、まだ続きあれば、聞きたいです」
と何故か小声で返してそれが異様に恥ずかしい。
顔を上げられずにいると、背中に手を当てられ、
「わかったわかった。
とりあえず中で話してやるから。ココアが飲みたいんだよ」
無理強いでは無い、私を気遣っている。
それがわかるから、私は声が出せずに頷いた。
横長の道の駅には、お店エリア、フードコート、そしてレストランがあって、私達はフードコートでココアにお互い息を吹きかけながら座って飲んでいた。
私はどんな話を聞けるのか楽しみで光生さんを見る。
ただの高校生が興味津々というだけなのに、光生さんは私の質問を馬鹿にすることもせず色々と話をしてくれた。
聞けば聞くほど、この人は仕事を大事にして幅広く物事を見ているのだとわかる。
尊敬、その言葉が適切だろう。
彼の仕事に対する熱意は、私にとって尊敬してしまうほどのことだった。
「随分熱心に聞くな」
自分の中で会社なんて辛そうというイメージしか無かったから、こうやって楽しそうに話を、そして知らない大人の世界を聞くのは興味津々になってしまうのも仕方が無いと思う。



