「儲かると思うからそういうのをしているんじゃないんですか?」
私の堪えに、あはは、と明るい声で笑われた。
失敗した。
思わず悔しくて口を結ぶと頭に大きな手が乗って反射的に顔を上げれば、面白そうにしている表情に何だか拍子抜けした。
どうやら馬鹿にされてはいないようだけど間違ったはずなのに。
だけど会話を続けたい。
もっと話が聞きたい。
気持ちがうずうずとしてしまう。
「残念だが俺がやっていることは儲けに繋がらない。今は、な」
目を細めて私の頭を再度撫でられるのに、それは馬鹿にされているという気持ちにはならずにむしろ私の気持ちを落ち着かせる。
「本来の企業は営利目的だ。で還元する方法をいくつか話したが、その一つが未来への投資ってやつだよ。
俺がしていることは種まきだ。
それが実をつけて収穫するにはそれなりの時間がかかる。
そもそも芽も出さずに枯れてしまう場合だってある。
俺はこれがやりたくて周囲から文句を言われないほどの業績作って、親会社への移動の条件にしたんだ。
だから俺の部署は少数精鋭。
我の強いのが集まって大変だが面白い」
子供のように楽しそうに話すその顔に、どくん、と胸が締め付けられた。
びっくりして俯くと、自分で驚くほどに自分の胸がドキドキとしている。



