12上の御曹司と女子高生は愛を育めない



「あの、ここのお店、光生さんが関係してたんですか?」


車に乗り込んでシートベルトをしながら尋ねると、


「俺の部署は新規事業開発部って言って、その中のプロジェクトにこういう地方再生や若い人材との繋がりも作っているんだよ。

Iターン、今回だとあのご夫婦が都会から地方に移住して店を開くような場合は、長く続ける為にはそれなりの戦略が必要だし、その地方ならではのご近所付き合いってのもあるからな、地方自治体と協力したりとそういうマネジメントをね」

「なるほど、と言いたいのですが、もの凄く内容が濃密で情報処理が追いついていません。でも続きを聞かせて下さい」

「興味があるのか?」


私はこくこくと頷く。
少しは勉強したつもりだが所詮は付け焼き刃。
光生さんが話してくれる内容の方が遙かに興味をそそられる。
それにこういう話をするときの光生さんの表情は好きだ。
いつもの偉そうな雰囲気は消えて、とても穏やかに、そして真面目に取り組んでいることだと私にもわかるから。


「少しドライブをしよう。
この山の上にちょっとした山の駅と景色を見渡せる場所がある」


光生さんの声は私の答えを聞いたせいか嬉しそうな声に聞こえ、私ははい、と返事をした。