「さすが彼氏持ちは指摘が鋭いなぁ」
「ん?別れたけど」
「え」
「夏休み終わりくらいに別れたよ。だって束縛酷くて。
約束は先に入れている方が彼氏とか無関係で優先って言ったのに、俺を優先させろとか言うんで面倒になったのよね」
久しぶりにフリーなの、と笑う桃に驚いていた。
桃は彼氏を大切にするけれど、束縛されることは嫌うし、私と先に予定があれば彼が後からデートを言ってきても断るので妬まれたこともある。
その彼はそれに文句を言って喧嘩になり別れたと聞いた時には何となく申し訳なくなったけれど。
「紫央里もさ、こんな話しするんだから悩んでいるんでしょ?」
呆れながらも笑っている桃に、私は眉間に皺を寄せてしまう。
流石に、はいそうですとは簡単に気持ちを切り替えられない。
「とりあえずもう少し様子見したら?
その誠意は何の意味を持つのかわからないんだし。
しかしあのイケメン御曹司にそんなことさせるなんて、紫央里はやり手だよねぇ」
ふふっ、と可愛い笑顔で言われ、私はイマイチこの状況にピンとこないままだった。



