12上の御曹司と女子高生は愛を育めない



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「直筆の手紙ねぇ」


桃と昼ご飯を食べながら、光生さんという名は伏せたまま直筆の手紙が来たのだと報告すれば、桃はそう言うと感想を述べだした。


「以前は印刷で下に直筆の名前書いてあっただけだったからなんでかなと」

「そりゃぁ全く違うわよ、直筆が強いのはおそらく世代関係無いんじゃない?
それだけ手間をかけているんだから、それだけ真剣だって意味なのは伝わるから」


なるほどと頷く。
普通ならメールやLINEが楽なのはわかっている。
でも直筆の手紙というのは渡すのは面倒で大変でも、もらったほうは嬉しいと思う、特にこういう場合は。まぁ重い物にもなりそうだけれど。


「しかし紫央里につきまとってた御曹司、一気に冷静になったのか戦略を変えてきたのか、未だに紫央里を諦めていないってのは確定したわね」

「え、そうなの?!」


桃が腕を組んで推理しているように言うので驚いた声を出した。


「何言ってんの、わざわざ直筆で郵送すること無くポストに手紙入れるとか、全て自分でやっているってことでしょ。
まずは謝罪、しばらくして再度交際を申し込むって流れだと思うけど」

「秘書の人がいるからその人に任せているんじゃ無いかな」

「こういう誠意のアピールしてるんだから、見られる可能性のある行為を他の人に任せているとは思えないって。
仕事出来る人なんでしょ?そういうとこまで徹底するはず」


ふむ、と考え込んでしまう。あの人がそんな面倒なことするのだろうか。
でも自分の目で仕事の状況見て見たがったり、最初に会ったときもおそらくあれは心配して家に送ってくれたのだと今なら思える。
あの時に車に乗れ、なんて言われたらそれこそ怖くて逃げ出したかも知れない。