12上の御曹司と女子高生は愛を育めない



「来たな、紫央里」


わー、呼び捨てだ。それにしてもなんて偉そう態度。
そちらからすれば大切なネクタイ破った子供なのだろうけれど、ほんといけ好かない。顔が良ければ何でも許されると思っていそう。


「ところで要件は何ですか、光生さん」


笑顔で言うと、ぴく、と彼のこめかみが動いたのを見逃さなかった。
これくらいは反撃しないとやっていられない。
だけれど光生さんはすぐに無表情になって片手を上げると、数名の女性が一瞬で集まった。


「この長い髪を輪ゴムで留めてるような眼鏡のダサい娘を、一時間以内で俺の横に立っても何とかなりそうなようにしてくれ。
あぁ、眼鏡は禁止、コンタクトでな」

「かしこまりました」

「はぁ?!」


輪ゴムじゃ無いわ、れっきとしたヘアゴムじゃ!百均のだけど!という憤りよりも、あっという間に女性陣に囲まれ、奥の部屋に引きずられていく。


「説明!説明を求めます!!」


私の叫びに一切光生さんは向くことも無く、今度は他の男性と話している。
混乱したまま、私は数名の女性達によっていじくり回された。