「斎藤がお前が呼び出されたって心配してたぞ」

「ああ、それで探しに来てくれたんだ。ありがとう」

「礼は前から走ってくるやつにいってやれ」

中庭を全速力で走ってくる琴美が見えた

「あぶないよ!」

転けそうになっている琴美

普段運動してないのに全速力なんかで走るから

「隆史、さっきの髪のきれいな先輩と秋元くんって付き合ってるの」

背を向けて
なんてことないように聞いた

でも、心にはまださっきの変な気持ちが残っていた

「ああ、そうらしい。あいつあんまりそういうこといわないけど」

「…そうなんだ」

変な気持ちが大きくなったのを感じた