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遥斗と別れてから1ヶ月経った。
あれから遥斗は女遊びが一層激しくなり、私が足枷になっていたことに気付いた。
「…あんなやつ見るのやめなよ!!」
「有紗…」
「…まだ好きなの?」
「…うん」
なんで私はまだ好きなんだろう。
なんで私の中から消えてくれないの?
遥斗を見ても傷つくだけって分かってるのに私の目は遥斗を追う。
「…大丈夫?早坂さん」
「…守山くん」
守山 仁(もりやま じん)くん。
隣の席のクラスメイト。
守山くんもイケメンで、結構モテてる。
守山くんは、話してるだけで優しさが伝わってくるし、良い人なんだろうなって思う。
…けど
私はどうしても遥斗のことを思ってしまう、比べてしまう。
「大丈夫だよ、ありがとう」
「そっか、相談なら乗るからね」
そう言って守山くんは私の頭をポンッと触って友達のところへ行った。
「…ねえ。守山良い感じじゃない?」
「…良い人だと思うよ」
…有紗の言いたいことは分かるよ。
…でも
「私は、遥斗が好きなの」
「…だよね。見てたら分かるよ
でも、守山良い人そうだし、話してみるのは良いと思う」
「うん、私も思う」
本当だったら多分守山くんを好きになるんだろうなって思うけど…私はそれができない。
だって、遥斗を忘れられないから。