騎士という職業は非常に女性にモテる。
彼らは将来が保証されていて何より格好いい。
特に平民の若い女性たちにとっては、騎士に見初められれば玉の輿だ。
だから若い騎士たちなどは、街に出れば向こうから勝手に女性たちが寄ってくるような状態である。
そんな騎士たちの中でも特に見目の良いクロードなどは格好の餌食で、当然そのレストランでだっていつも熱い視線を送られていた。
クロードがレストランに通うせいで女性客が急増したくらいなのだから。
だから、ミハエル以外の同僚たちはクロードが一緒だとモテなくなるからと、彼を敬遠している。
しかしそれは逆に、女性の真意を見極めることも出来るということだ。
もしミハエルの好きな女性がクロードに秋波を送るようなことがあれば、ミハエルが騙されないようクロードが盾になれば良い。
ところが今回のミハエルの恋に限ってはクロードの心配をよそに、彼女の目にはクロードなど入ってもいないような様子だった。
だからクロードは安心し、心からミハエルと彼女の恋を応援することが出来たのである。