ピピーッ!!

バスケの授業中、押されて尻餅をつき、俺は手首を捻挫してしまった。


「いった…」

「ごめん、凜袮!」

「先生、保健室行ってきます」

「行ってきな」


保健室に行くと、先生は不在。


「いないのかよ…」


ふとベッドに目が行く。カーテンが閉まっていなくて、寝ている生徒が丸見えだった。

閉めてあげよう、そう思って近付いた。


すやすやと眠るその子は、俺の知らない生徒だった。
違うクラスだろう。

つい、頬に手が伸びてしまった。

触れたくなるほど、綺麗な子だった。

透けるほど白い肌に、触れてみたくなった。


その時、彼女はパチリと目を開けた。


「誰…?」

「えっ…あっ…ごめん」


すぐさま手を引っ込めた。

その子は、徐ろに、体を起こして俺の方を見る。


「先生いないの?」

「ああ…うん、捻挫して来たんだけど、いなくて…」

「それで何で私の顔触ろうとしてたの?」


痛い所突かれた。


「…綺麗な顔してたから…」

「そう」


あまり気に留めないような反応を示した。

彼女はベッドから出て、湿布を出してきた。


「勝手にいじって大丈夫?」

「湿布1枚無くなったって大丈夫だよ」