…こんなの、ときめかないわけがない。
ずるい、
「金魚のフンって罵ってるの、外まで聞こえて来てたけど。」
私を守るように盾になって、果凛の方へそういう樹。
「お前、ほんとくだらねえのな」
後ろ姿しか見えないけど、地面が割れそうなほどドスの効いた怒りを含んだ声。
「なっ、」
「高校だって、大学だって、先に志望校決めたのは、はなだから。」
「だから、俺が金魚のフンなんだけど。」
その言葉にもう何も言えなくなった様子の果凛。
「次やったら、お前が女だろうが知らねえからな。覚悟しとけ」
静かに解き放たれる毒付いた言葉に、会場が凍る。
でも、その目は誰が見てもわかる本気だった。
「あと、お前らが面白がるような関係にはなってねえよ」
な?、って甘く微笑み俯く私の顔を覗き込む。
ああ、やっぱりヒーローだ
昔から私が困っていれるば、いつだって助けてくれる。
あまりにも美しくて、しっかり目を合わせれない。
心臓がおかしい



