そんなわけない…
仕事だって言ってたもん…
どうして?
「いつ、き…」
オールバックに整えられた銀髪、
ワインレッドのスーツを着こなして、
纏うオーラは一瞬でみんなを魅了する。
「え!山川じゃん!」
「おお!俺らの大スター登場だぞー!」
お調子者の男子達が樹のもとへ駆け寄る。
会場が一気に騒がしくなり、飛び交う黄色い声。
「きゃー、樹くんっ」
「かっこ、いい!」
「どうしよう私、震えて来たっ!」
女子達は一気に固まって、5年ぶりに会った樹のオーラに圧倒されて怯んでる
一瞬でこんなにも場を変えてしまう樹
「欠席って言ってたのに、どうしたんだよ?」
樹とはちょこちょこ連絡を取っていたらしい、男子がそう問いかける。
「突然仕事なくなったから、みんなに会いてえじゃん?」
効果音付きのアイドルスマイルを披露した樹。
「え、やば!」
「はあああ」
って悲鳴のような歓声が聞こえる。



