相変わらずだね、ってニヒルに笑いながら、近づいてくる果凛は悪魔のよう
やっぱりダメだった…震えが止まらない…
「じゃあ金魚のふんから最後の一言〜!」
果凛は自分の持っていたカシスオレンジが入ったグラスを私の頭の上で傾ける。
「きゃっ、」
その瞬間、私の全身に滴るカシスオレンジ。
あまりの衝撃に周りから悲鳴が聞こえる。
ちらっと果凛を見上げると、満足そうなその笑顔と目があった。
…怖い
簡単にフラッシュバックする5年前
「果凛ちゃん、流石にそれは…」
「そうだよ、やばくない?」
「柳、やりすぎ」
みんなのどよめく声。
ああ、もう最悪。
お気に入りのワンピースだったのにな…
どうしていつも、こうなっちゃうんだろう。
ガチャーーー
レストランの大きな扉が開いて、みんなの注目が集まって、
現れたのはいつだって一番星のヒーロー



