いじめている相手に血相変えて、血走った目で、怒鳴り込んでいた樹の迫力は忘れることができない。
樹は自分のせいだって責めて、私にごめんってずっと謝っていた。
樹のせいなんかじゃないのにね。
「みんな羨ましいんだよ。私たちのこと!」
山川樹のそばにいれる私たちのことがね
「そうだね。」
そう考えるようにしよ、って笑う綺咲。
綺咲は花が周りに咲くように可愛いんだもん、そりゃみんな嫉妬するよ。
「今はあの小さな教室だけが全ての世界だけど、そうじゃなくなる日が来るからさ…なんて励ましたらいいかわかんないけど、うーん」
なんて、言ってあげれば伝わるかな。
「大丈夫!はなちゃんにそんなの求めてないよ」
意地悪に笑う綺咲。
ううっ、ちょっとSなところとか樹にそっくり。



