Twinkleな彼は、【完】



「送ろうか?」


そんなに遅い時間じゃないけど、心配だし



「ううん、大丈夫!自転車で来たし!」


ありがと、と付け足して笑う



「そっか。気をつけろよ」



もっと一緒にいたかったけど残念


きっと俺が忙しいのを配慮して、帰ろうとしてくれてるんだろう。昔から何も考えてないように見えて意外と奥ゆかしいところがある。



「樹」


「ん?」


「ハグしよ!!」


「は!?」



はなの方を見ると、笑顔で両手を広げて待ち構えている


…こんなの拷問だ。


落ち着け、落ち着け


俺が芸能界に入るまでは当たり前かのように別れ際にハグをしていた。


物心ついたころからルーティン化していた。


でも芸能界に入ると同時に思春期を迎え、それからあまりしていない。


「早く〜」



…前言撤回


こいつまじで何にも考えてないわ。


仮にも20歳の男女が部屋に2人きりなのに。危機感なさすぎ。