「あー…恥ずかしながら…料理したことなかったから…いっぱい怪我しちゃった」
本当に恥ずかしい。
料理は断然樹のほうが上手なんだもん。
「まじかよ」
「あ、でも、味は本当に保証するから!」
こんな傷だらけになった手を見れば不安になるかもだけど、お母さんのお墨付きだから!
そういうことじゃないけど、ってため息混じりの声が聞こえて
「…はなはどうして俺にそこまでしてくれるわけ?」
いつよりやけに真っ直ぐな視線
そんなの決まってるじゃん
「樹は大好きな幼馴染だから。できることはなんでもしてあげたい!」
「っ、」
それ以上の理由がある?
目の前にいる樹の顔が沸騰したように赤くなったのが分かった
「それに樹だって、私のこと大切にしてくれてるでしょ?」
大切にしたいと思えるのは、それ以上に樹が私のことを大切にしてくれているのがわかるから。



