「はな」
階段を降りていると不意に聞こえた、ハスキーな声に急いで振り返と、
「、…い、樹…?」
幻聴かと思ったけど、間違えなくそこに存在する樹の姿。
いつものメガネにマスク姿だけど、漏れるオーラ。
こんな学校で話しかけられるなんて、何年振りっ…?
「驚きすぎだろ」
唖然と固まる私に平然と返事をして来て、一歩また一歩と近づいてくる。
いやいやいや、驚くに決まってるじゃん!
なんで近づいてくるの?どうしたんだろう…?
私の目の前で止まってスッと伸びてきた手は、気がつけばおでこに当てられ、肩が上がる
ひんやり冷たいその感覚は樹の手の温度
「ちょ、っと、何して」
咄嗟に樹との距離を取る。
あんなに他人のふりしろって口うるさかったくせにっ!
…それに昨日のことだってあるのに。
怒ってないのかな…?
「はあ、やっぱり熱ある。なんでいつも気づかねぇんだよ」
呆れた表情の樹。
へ?熱?



