それに、
「私、樹といて嫌な思いしたことないよ。」
「あるだろ。」
いつの話をしてるの?
なにそれ、なにそれ。
ぐわっと湧いてくる怒り。
「ないよ!だから今もずっとそばにいるんでしょ?なんで分かってくれないの?」
どうして、自慢の幼馴染だって、いつも伝えてるのに、そんなこと言うの?
嫌だったら、自分から離れるに決まってんじゃん。
「それとも…樹は私が側にいるのが嫌?迷惑?」
泣かないように、下唇を噛んで耐えるけど、どんどん視界が潤んでいく。
「そんなこと一言もっ、」
「もういいよっ!」
そう言って外の出口へ走った。
ショックだった。
私を見た時の迷惑そうな顔も、いとこだって紹介されたことも、私が嫌な思いしても我慢して側にいると思われてることも。
抉られるくらい胸が痛むんだ。
涙を流しながら、無我夢中で走って
あと一歩で、外へ踏み出す瞬間だった。



