雑誌の表紙、おしゃれな衣装を着て、綺麗なヘアセットをして、王子様のような笑顔で写る樹。


やっぱり輝かしい異次元の美しさを持つ人だって実感する。


「あ、山川樹のファン?」


後ろから声をかけられて振り返ると、芽吹(めぶき)先輩が立っていた。


そうだ、バイト中だって忘れてた。


私は、週に3回、コンビニでバイトをしている。雑誌の品出しをしてたんだけど、表紙に写る樹に思わず手が止まってしまってた。


「あ、はい!そんな感じです!」


「かっこいいよねぇ。俺もこんな顔になりてえ。」


腕を組んで羨ましいわぁって、笑う。


「芽吹先輩も十分かっこいいですよ?」


もちろん、樹には敵わないけどね!


こんなかっこいい人は他にはいないんだから。唯一無二の輝きなんだから。


それでも芽吹先輩は後輩にも先輩にも人気だし、常に周りに人がいて、金髪にピアスのちょっとチャラいところがいいって女子から絶大なる支持がある。


「はなちゃんはそういうところ本当罪だよね…」