「え、うーん」



「いつ作ってくれる?」



そのストレートな視線に捉えられる


なんで、そんな必死に…



そんなに美味しかったならよかったけどさ。



「さ、再来週とか?」



「ん、決まり」



ふわり、嬉しそうに柔らかく微笑んで心を鷲掴みにされる。



熱が出ていつもより柔らかい雰囲気の樹のその言葉はずるい


私まで熱が出そうだ。



そんな煩悩を振り払うように樹が平らげたお粥のお皿の洗い物を済まして、帰ろうと寝室にいる樹に声をかける。



「樹、私、帰る…ね」



ひょこっと覗いた寝室に、ベットの上から1ミリも動かない大きな背中



不思議をに思い顔の方へ回って、確認してみると、



「寝てる…」



無防備な表情のまま、長いまつ毛が頬に影を落として、寝息を立てて眠ってる


そりゃ、あれだけ熱があれば寝ちゃうよね。




「綺麗…」



目にかかる髪の毛をかき分けて、まじまじと顔を見る。