まあいいか、とあまり気にせずに保冷バックから冷蔵庫へタッパーを移していく。

…お母さんつくりすぎだよ。


「あ、そういえば今日何か食べた?」



「…食欲ない」



だるそうに答える樹


確かにキッチンもいつも以上に生活感がない。




「ダメだよ食べないと…お粥温めてあげるから」



「それくらい自分で、」



ふらふらとした足取りでソファから立ちあがろうとするから、肩を押して立ち上がるのを阻止する




「だーめ!病人は大人しくしてて」



なんのために私が来たのさ!こんな時くらいレンジでチンくらいさせてよね。



どこか不服そうな樹には、ほら、と冷えピタを渡す。



「できたよ」



タッパーから移して温めた卵粥を樹のもとへ持っていく。



「…出来んじゃん」



「レンジでチンするだけだもん!」



って言っても、お母さんに行く前にすごいレクチャーをたくさん受けたんだけどね…