芽吹先輩は私たちのこと知ってるから、尚更どこか複雑な表情
近づいてきてるじゃん!
レジ変わってもらって、私は隠れた方がいいかな!?
いや、私たちの関係なんてみんな知らないんだもんね!
「こんにちは」
そんなことを考えてる暇はなく、あっけなく樹は私の前に客として、アイドル山川樹として現れてしまった
たらり、冷や汗が流れる
「こ、こんにちは…」
まるで初対面かのように、よそよそしく微笑む樹
こんなに公の場で、樹と話すなんて何年振り?どうしたらいい?
どういうつもりでこんなところに来たのか、目で訴えかけたってにこりと微笑むだけ。
うう、かっこいい…
「えーっと、ヤンニョムチキンドックひとつ」
当たり前かのように注文をする樹
仕事だって言ってたのに。ちゃんと小枝さんには報告したのかな?
誕生日にあげたピアスずっとしてくれてるんだ。
「水野先輩!」
「へ?」
「注文!されてますよ!」
「…ああ、」
ぼーっとしてあまり耳に入ってなかった樹の言葉



