「あ、」


「あ、」



帰ろうと大学構内を一人で歩いていると、目の前に芽吹先輩の姿


分かりやすくお互い動揺してる。



昨日の今日だもん。



告白されたことだけでもいっぱいなのに、樹のことだってあってもうキャパオーバー


きっと芽吹先輩だってそうだと思う



「…ちょっと、話せる?」


気まずい雰囲気が流れるまま、芽吹先輩の一言


「はい。」



二人で人気のない、テラス席に座る。



「昨日はびっくりした。」



遠慮気味に微笑む芽吹先輩に、いつも通りの元気はない。


一晩経ったって、混乱してるよね



「すみません…」



「…あんなドラマみたいな話あるんだね」



そうだよね。



私からしたらずっと一緒にいた幼馴染が、アイドルになっただけだけど、芽吹先輩からしたら突然目の前に山川樹が現れたんだもん


それくらい樹はすごい人なんだよね。