そんな中、息をすって樹がつぶやいた言葉は、衝撃的なものだった。
「いつもうちのはながお世話になってます。」
凛とした表情の樹はそんな言葉を発したかと思えば、私の肩をそのまま手繰り寄せて距離が縮まる
「え、」
一層混乱する芽吹先輩
「なっ、何をっ」
樹、何してるの!って目で訴えかけても一切目線は合わない。
樹は今までに見たことないくらい挑発的な目で芽吹先輩を見ていたから
「俺たち幼馴染なんです。経済統計学も本当に助かりました。」
「い、樹っ、何言って!」
もう、どうしちゃったの!?
あんなに隠せってずっと言ってきてたのは樹でしょ!?
「今、樹って…呼び捨て…本当に幼馴染…?」
しまった…!いつも通り呼んでしまって、もう誤魔化しようは無くなってしまった。
「はい。物心ついた時からずっと一緒です」
「もしかして隣の山川って家…」
「俺んちです」
自分の実家まで暴露する始末
こんなの樹らしくない!
いつだって、バレないようにしてきたのに。



