でも真っ直ぐな眼差しに嘘だとは一ミリも思わない
「…好きな人がいるんです。ご、ごめんなさい」
目を見て、ちゃんと伝えなきゃ
「そっか」
力なく微笑む芽吹先輩に少し胸が痛む
「でも、気持ちはすごく嬉しいです!ありがとうございます。」
好きだって言われて心が弾まなかったかといえば嘘になる。
でも誤魔化せない気持ちがある。
「っ、うん。」
顔を真っ赤にして嬉しそうに微笑む芽吹先輩
チャラいなんて思っていたのに、こんな真剣に告白してくれるなんて、
いつも頼り甲斐があって、バイトも大学も一緒でお兄ちゃんとしか見てなかった
「あ、着いたね」
気がつけば家の前
「…じゃあ、また」
「うん、また」
どことなくぎこちない雰囲気
しょうがないよ、さっき告白されたんだもん。
意識、しちゃうよね
ぺこりと頭を下げると、緩く手を振って離れていく芽吹先輩



