「葉は?」
みんなといた時より、より落ち着いているように見える表情。
私といるから素を出せているのかな、なんて都合のいい考えが脳内でちらつく。
「車、回してきてくれてる!」
いつも通り元気よく笑わなきゃ
「そっか」
ちょっと遠いところに止めちゃったんだって。
10代で車持ってるなんて、さすがだよね。
「…蘭さんは?」
「荷物忘れたって戻った」
「、そっか」
自然に落ちる視線
樹とこのまま一緒に帰りたい。蘭さんと並んでる姿なんて、見たくない。
ああ、やっぱり嫌だな。
「今日、大丈夫だったか?」
心配してくれる優しい声がさらに心を揺らす
ああ、もう
「……やっぱり、やだっ」
「…いやって、何かされたのか?」
蘭さんと、楽しくお話しして帰っちゃうの?
また私の知らない樹が増える?
「はな、?」
俯く私の顔を覗き込んで、顔を傾けた瞬間、前髪がかかっていた綺麗な瞳があらわになる。
ああ、だめだ。
その瞳も、優しい手も、全部、独り占めしたい。
無意識に伸びた手は、咄嗟に樹の服の袖を握ってしまう。



