「なんで!?」
「朝からうるせえな…」
朝日に照らされる樹は、まるでドラマのワンシーンのよう
「どうしてうちに…あ!思い出した!私あのまま…」
そうだ、停電してたんだった!
「熟睡だったな」
にこって意地悪に微笑む樹に、顔が熱をもつ。
「嘘…」
すごく、気持ちよくて、安心して眠れたことだけは覚えてる。
ていうか、抱きしめてくれてたよね?
「停電1時間くらいで終わったのに、誰かさんが俺の腕の中で寝てるから帰れなかった」
「ごめん!」
「いいよ、可愛かったし」
「なっ、」
涼しい顔でそんなことを言って、じゃ帰るわって颯爽と消えて行ってしまった。
最近、こんなことばっかり。
すぐ樹に心を持って行かれてしまう。
自分のペースでいられない、濁流に飲み込まれていく感覚に陥ることが多い。



