「そういえば芽吹先輩も就活で黒髪にしてた!この間まで金髪だったのに!」
芽吹先輩は金髪のほうがキャラに合ってて、似合ってるんだよね。
「…きょーみないんだけど。」
運転する横顔が一気に不機嫌になる。
「へ?あ、そうだよねえ」
芽吹先輩と知り合いなわけじゃないもんね。
「最近、芽吹先輩の話ばっか」
拗ねたような口調
「ええ〜何?ヤキモチやいてるの!?」
そうやって茶化すと
「そうだよ。…言っただろ、俺だけ見てほしいって」
「っ、」
赤信号、止まる車。
その瞳に妖艶に捕まれられてまた何も言えなくなる。
顔を真っ赤に俯くしかできない。
なにこれっ、そんな目で見つめないでよっ
「覚えてない?」
「お、覚えてるよ」
すっかり忘れてただけで覚えてる。
撫でるような声に、精一杯の返事。
ああ、もうなんか調子が狂う。
「本当、目が離せねぇわ」
困ったように笑みをこぼす樹。
その表情に釘付けになって息が苦しくなる。
ああ、やっぱりおかしいよ、こんなの。



