「じゃあ、こいつ連れて帰るから」
そう言って私の手を引いて、戸惑うみんなを無視してレストランの個室を出て行く。
私の手を引くその背中を見つめことしかできない。
「い、樹、いいのっ?」
「何が?」
「みんなともっと話さなくて」
ずんずんと進んでいく背中。
一刻も早く、レストランから離れたいみたいだった。
5年ぶりだったのに、みんな樹が来て喜んでたのに。
「あんな奴ら興味ない。」
ガキすぎんだろ、って苛立った様子で呟く。
私のこととなればいつだって、人一倍怒らせたら怖い
「じゃあなんで?」
「ちょっと心配になって、楓に聞いたら同窓会行ったって聞いたから」
こんなことだろうと思ったよ、って振り返ってちょっと怒ってるような呆れた表情を見せる。



