「は!?」
私の耳に飛び込んできた言葉。
「いまなんて言った!?」
「だから、夏休みの間1人でおばあちゃんのとこ行ってきてねって。あんたイヤホンしすぎなのよ、耳鼻科行きなさい。」
何事もないかのようにテレビを見ながら洗濯物を畳む母。たまにその手を止めて、テレビを見て口を大きく開いて笑ってる。
こっちは笑うことすらできないのに。
「ねえ、夏休みの間って、1週間とか2週間の話?」
「なーに、あんたはどこまでアホなの。夏休みの間って言ってんだから8/31まででしょうが」
どっちがアホなんだろうか。
高校2年生の夏休み。1番貴重な時間。
やっと仲良くなれた友達と何も考えずに呑気に遊び続けられる1ヶ月。来年はただでさえ受験生。遊ぶ暇などなしにずっと勉強机と向き合わなきゃいけない。
「ちょ、当たり前かのように言ってるけど、絶対行かないからね?ムリムリ」
「はー、頑固ね。むーり!諦めなさい!」
「だって!理由は?なんで私だけ!?」
「私はね、お父さんの方のおばあちゃんの介護があって住み込まなきゃいけないの!あんた1人にしておくわけにはいかないでしょ?」
その後もずっと文句をブツブツと垂れている母の横で、ありえないと文句を垂れ続けるわたし。