私の推し様は、すごくかっこいい。

 理想すぎる、変声期を迎えた低めの声に、美しい仕草。

 博識で、成績も良いところ。

 そんな彼を推しとすることが、1番近くで、1番安心して居られるはずだった。

 推しを恋愛的に好きだなんて、思えなかったし。

 だけど。


「だめだ、カッコよすぎる!! 好き!!」

「……前、トークアプリで柊木くんを好きになっちゃいそうって割と真剣に送ってきた人、誰だっけ」

「どう考えても、夜月のあかりさんよね」


 恋愛的な意味でも、そうじゃなくても。

 頬杖ついてる彼も、頭いい発言してる彼も、かっこいいんだ。好きなんだ。

 隠れて想いを寄せることがあっても、許してください。


 同担歓迎NG 柊木くん限界オタク
 〜推しと好きは別!〜

《完》