待ちに待った、花火大会の日。

 気合を入れたお母さんに浴衣を着せられ、いつもおろしている短い髪は、編み込みしてもらった。……不器用な私は自分で編めないため。

 これから行動する二人もおしゃれが大好きだし、1人浮いてしまうことはないだろう。多分。

 流羽、美影と待ち合わせをした公園に向かうと、たくさんの人が居た。

 確かに、ここ、お祭りの現地に近いもんな……。

 浴衣を着崩さないように人混みをかき分け、進むと、なんとか二人を見つけた。


「いえーい、あかり」

「久しぶり〜」

「流羽、美影、久しぶり!」


 手を振って駆け寄り、じゃあ行こうか、と歩み始める。


「みんな可愛いね!」

「写真撮る?」


 浴衣を着たり、お祭りの雰囲気だったりにテンションが上がる私たち。

 スマホを取り出した美影の言葉に、うん、と頷く。

 後ろにも人はいるので歩道の隅に行き、加工も何もなしに写真を撮った。