家庭部の私には詳しく分からない、中体連が終わり、本格的な暑い暑い夏が始まった。

 家で、もう操作に慣れたメッセージアプリで美影、流羽、私の3人のグループトークをしていると、美影により夏祭りの話題になる。


『ね、夏休み、花火大会あんじゃん』

『あー、あるね! ♢♢神社の近くで』

『毎年やってるとこだよね?』

『それ、みんな行く予定ある? あったら、一緒に回りたいな、って思ってるんだけど』

『いいね、それ!』

『楽しそう!』


 そう思ったが、花火大会……。確かに、去年までは家族で行ってた。

 でも、今年は両親どっちも仕事入っちゃって、行かない気でいた。


『うちは家族と行くかな』

『あ、マジ? 私、従姉妹と会場まで。
 あかりはどう?』

『行く人が居ない……。でも、行きたいなって思ってる』

『そっか。じゃあ、良ければ親にさ、一緒に行きたい子が居るって伝えてみて? 私も言ってみるから』


 うちの家のルールは、事件の多い、お祭りやカラオケには親など、責任の取れる大人と行くこと、というのがある。

 なので諦めていたが、私の家の事情を2人は知っているので、流羽に誘われてそれなら良いな、と思った。


『うん! 伝えてみる!』

『じゃあ、そしたら3人で回ろうね』

『もちろん、その時に彼氏がいたらそっち優先!』


 美影のメッセージに、画面越しでも思わず笑ってしまう。


『分かった』

『あ、親に呼ばれちゃった』

『じゃあ、一旦終わろ』

『おけ』


 流羽が親に呼ばれたそうなので、じゃあね、と打って画面を消した。