ハニー メイド ヘヴン

早歩きさえできない体なのに夢中で控室の扉を押し開け、エントランスを横切って表へ。さっき見えてた小道へと急ぐ。

見間違エルハズ、ナイ。

あの吸い方、クセ、絶対に・・・!!

まだそこにいた。煙草をくゆらせる黒いスーツの長身。

「ッ・・・隆二っっ」

人違いだなんて思わなかった。叫んでた。声にゆっくり振り返る男。

「走ると転ぶよ?赤ずきんちゃん」

ほらね。あたしをそう呼んだのは隆二しかいなかったじゃない。そのまま胸元に飛び込んだ。

夢じゃない、触れる、煙草の匂いも、あたしが好きな香水の香りも。変わってない、全部あたしの隆二!