ハニー メイド ヘヴン

「いいよ」

合図で目を開けるなり呆けたあたし。だって隣りには、シルバーグレーのフロックコートにチャコールグレーのアスコットタイ、花婿仕様の隆二が。

「アリサばっかりじゃ不公平だからさ」

あたしはあたしで、総レースの淑女らしいウェディングドレスをまとい、編み込んだ髪にティアラを乗せてブーケを手にした姿が、鏡に映る。どんな手品なんだか、出逢ったあの頃に若返って。

「オレが知ってる女の中でオマエが一番キレイだよ」

「お兄達に見せられなくて残念ね」

「独り占めに決まってる」

額にキスをもらいながら照れ隠しの澄まし顔。本当は転げ回りたいくらい、はしゃいでるのに。

ハチミツより甘くなった笑い顔に見とれてるうち、場面が切り替わったように今度は、赤い絨毯の敷かれた祭壇に二人で立ってる。