ハニー メイド ヘヴン

歳を重ねて渋みの増したお兄と伊沢さんの顔が浮かんだ。あたしがいなくなっても、子供達には血で繋がる“家族”、絆で繋がる“家族”がいる。孤独じゃない。

「そうね、頼りになる味方ばっかりだものね」

同じ施設で育った二人には親も兄弟もなかった。志田は千倉組に、隆二は千倉と付き合いの長い鷺沢(さぎさわ)一家に引き取られ、あたしと(えにし)が繋がった。

口にした『独りぼっち』は、本当の家族を知らないって意味だったのかもしれない。でも胸に刺さった。やっぱりあたしじゃ隆二の空っぽを埋めてあげられなかったのか・・・って。

「おかげで隆二を待ってる間も忙しくて、わりと泣かずに済んだわよ?」

ちょっとだけ強がり。

「気前よく双子をプレゼントしてくれてありがとう」

「どういたしまして」

艶っぽい囁きと甘噛みされた耳。相変わらずのたらしっぷりに今さら思い知らされる。あたしはこの男に心底骨抜きにされてたのを。