ハニー メイド ヘヴン

握ってる手の感触も本物、幻なんかじゃない。だけど。

間違い探しに気付いてた。最後に逢えた時の隆二は、顔も声も変わってたの。自分を死んだことにして、いつか帰るって約束だけ残して行ったの。だから。

あたしより十コも上で、二十三年も経って、出逢った頃のままなんて、それこそおとぎ話。それでもよかった。幽霊でも、たとえ死神になってても上等よ。強がりじゃない本心。

「いつかはみんな死ぬよ」

そんな哲学っぽいこと言ったの初めて聞いた。

「今なの?だって結婚式・・・!」

途端に泣きそうになる。娘の晴れの日が台無しじゃない。母親として顔向けできないじゃない!

「相変わらず泣き虫でカワイイねぇ梓は」

反対に引き寄せられ、あやすように隆二の腕に囲われた。