熱さを和らげようと右手で顔を扇いでいると、高橋さんはそんなことを言いながら苦笑いを浮かべてソファーの前のテーブルに置かれたマンション名の入った茶封筒の中から書類を出して見ていた。
でも……。
やっと顔の熱さは治まったけれど、心の中は穏やかではない。
高橋さんには、普通に返事はしてみたものの、やっぱり気になってつい自己中心的な考えが過ぎってしまう。
今度って、何時?
高橋さん……。
矛盾しているな。
さっきは、自分からやめましょうとか言っておきながら、心の中では今度は何時なの? と、問い掛ける身勝手な自分がいる。
いったい、私はどうしたいんだろう?
ドアの向こうに何があるのか、凄く知りたかった。高橋さんに、ドアを開けてもらいたかったはずなのに。いざ、その時が来たら逃げ出したくなってしまった。
そして、寸前のところでまた今度と言われ、それは何時になるのか知りたくて仕方がない。
何をやっているんだろう。
利己中心的過ぎる考えから、コロコロ変わる自分の心に嫌気が差してしまう。でも、今日は心の準備が出来ていなかったこともあったので、正直ホッとしていた。
「貴博。お前、昨日のメール無視しただろう?」
「ああ。もう寝てた」
昨日の夜? あの時の……高橋さんが携帯の画面をチラッと見た時のメールの相手って、明良さんだったのかな?
そんな会話が玄関から聞こえてきて、明良さんが姿を現した。
「ヤッホー! 陽子ちゃん。元気? 熱は?」
「お、おはようございます。明良さん」
いつも賑やかな明良さんに診てもらったが、熱もなく高橋さんの言うとおり疲れが出たのかもしれないとのことで、特に心配することもないようだった。
でも……。
やっと顔の熱さは治まったけれど、心の中は穏やかではない。
高橋さんには、普通に返事はしてみたものの、やっぱり気になってつい自己中心的な考えが過ぎってしまう。
今度って、何時?
高橋さん……。
矛盾しているな。
さっきは、自分からやめましょうとか言っておきながら、心の中では今度は何時なの? と、問い掛ける身勝手な自分がいる。
いったい、私はどうしたいんだろう?
ドアの向こうに何があるのか、凄く知りたかった。高橋さんに、ドアを開けてもらいたかったはずなのに。いざ、その時が来たら逃げ出したくなってしまった。
そして、寸前のところでまた今度と言われ、それは何時になるのか知りたくて仕方がない。
何をやっているんだろう。
利己中心的過ぎる考えから、コロコロ変わる自分の心に嫌気が差してしまう。でも、今日は心の準備が出来ていなかったこともあったので、正直ホッとしていた。
「貴博。お前、昨日のメール無視しただろう?」
「ああ。もう寝てた」
昨日の夜? あの時の……高橋さんが携帯の画面をチラッと見た時のメールの相手って、明良さんだったのかな?
そんな会話が玄関から聞こえてきて、明良さんが姿を現した。
「ヤッホー! 陽子ちゃん。元気? 熱は?」
「お、おはようございます。明良さん」
いつも賑やかな明良さんに診てもらったが、熱もなく高橋さんの言うとおり疲れが出たのかもしれないとのことで、特に心配することもないようだった。

